クラスの中を覗いていただけるページです。クラスの様子やできごと、受講生の制作物をご紹介していきます。

2024年7月25日木曜日

気付きの積み重ね

 レギュラークラス講師の清水裕子です。
 
数回前のこのブログの中で、文字ウェイトについてお家で実践された方のことを紹介しました。それをご覧になった生徒さんが、レッスン時に、私もウェイトを変えた書き方を試してみたいと、意欲的にリクエストして来られました。そしてその日の宿題を後日のレッスンでボードに貼られたのがこのシートです。

 クリティーク時に「自分は細い文字が好きなんだと思っていましたが、これを書いてみて、ウェイトの重い文字の方が好きだなと思いました。」と。
 文字線をひとつひとつ書きながら、自分の中に自然と湧いてくる何かをていねいにすくい取る、キャッチすることは、とても貴重で大切な経験です。そして、それを言葉にしてどこかに記したり人に話したりすることで、経験がさらに身体の隅々に行き渡ります。その積み重ねが、物事を観察する感覚の感度を上げてくれたり、個々の上達していく上昇の角度を変えてくれたりするのではないかと私は思っています。
 8月いっぱい、スタジオは夏休みです。ブログもしばしお休みをいただき、また9月から再開します!
皆さん、良い夏をお過ごしください。

2024年7月20日土曜日

作品展に向けて

ポインテッドペンクラス講師の東井です。

今年は作品展イヤーです。クラスの皆さんも精力的に作品制作に取り組まれています。今回の作品展では、私がクラスでレッスンしている3つの書体とフローリッシュをあしらったデザインの4種類、すべての作品が出展予定です。

私自身もクラスの皆さんに負けないよう、そして暑さに負けないよう、作品制作に取り組んでいきます。

2024年7月6日土曜日

パーチメント

写本装飾クラス担当の小川百合です。

写本装飾の作品を作るときにはパーチメント(獣皮紙)をよく使います。牛やヤギ、鹿などさまざまな種類がありそれぞれに特徴がありますが、部分的に透けていたり穴が開いていたりと個性があるのも面白いです。
作られたときの自然なカーブを活かしたレイアウトを考えたりするのも楽しいです。

2024年6月23日日曜日

スタジオ案内カードのリニューアル

こんにちは、スタジオ主宰者の清水裕子です。

今のスタジオでレッスンを始めたのが2008年5月。スタジオ レターアーツでのレッスンも6月から16年目に入りました。15年間使っていたスタジオ案内カードが一昨年の作品展の時にゼロになって1年半。ようやく新たな案内カードができあがりました。以前の、折り畳んだ渋いカードから、明るくて楽しげなカードにガラッと変身です。

左から、ポインテッドペンクラス、レギュラークラス、写本装飾クラスの案内。手前はそれぞれの裏面
 

 デザインをしてくださったすみ かずき さん(SHARELOCAL*)が、3つあるクラスそれぞれ別にするのはどうでしょう?講師の特徴をフルに取り入れたものにしてみるのはどうでしょう?と、アイデアをどんどんと形にして見せてくださり、素敵な栞のようなカードになりました。

 講師が選んだ引用句がそれぞれに入っています。それも含め、このスタジオらしい案内になったと思います。何かの機会に、ぜひ手に取ってご覧ください。 

*SHARELOCAL https://sharelocal.jp/about/



2024年6月8日土曜日

ウェイトを変えてみると・・

こんにちは。レギュラークラス講師の清水裕子です。
今回は文字のウェイトの話を少し。

ローマンキャピタルを習得中の生徒さんがウェイトを変えて書く試みをなさっており、これは、実験的な練習シートをお家で完成させて持って来られたものです。

大きな文字の高さは15mm。スピードボールC-1からC-4までを使われていますね。小さな文字は6~7mmや5mmなどの高さ表記があり、同じくC-3からC-5が使われています。

書体はそれぞれに標準的なウェイトというのがありますが、ウェイトに変化をつけて書くことも応用としては必要です。ウェイトを使い分けることで文字の線自体の表情が変化したり、書かれた言葉が発する(音なき)声が変化したりします(するように感じます)。また作品全体にコントラストができるので、面白さという点でもより良いものが期待できます。

この生徒さんは、この実験的な練習をしながら、より重たいウェイト(ヘビーウェイト)の文字にグッときたとおっしゃっていました。結果も大事ですが、過程で感じられること、得られることが、私たちカリグラファーにとっての宝となります。良い実験ができましたね。

2024年5月25日土曜日

小さな文字を書くペン先について

 ポインテッドペンクラス講師の東井です。

各々のペン先について感じたことをまとめました。(写真とペン先の順序が違っていて申し訳ありません。また、写真の文字は2mm幅で書いています。) 

Gillott 290   ペン先の「しなり」はあるので、ラインの細い、太いは出る。全体的に細いので、3mm幅で書くのは少ししんどい。

Hunt 100       「しなり」はあるので、ラインの細い、太いは出る。Gillott 290 より若干太い。

Hunt 103       「しなり」はあるので、ラインの細い、太いは出る。Hunt 100 より太く、3mm幅でも書ける。

Brause 513    「しなり」はあまりないので、細い、太いは少し出にくい。次に書く、Hiro700 に比べると、細い、太いの差は出る。「しなり」がない分、コントロールはしやすい。ヘアーラインも細いが、ダウンストローク(太い線)も細い。

Hiro 700 「しなり」はあまりないので、細い、太いは出にくい。「しなり」がない分、コントロールはしやすい。全体的に太く、文字が小さい場合、細い、太いの差はあまり出ない。

Principal, Hunt 101 ペン先が「摩耗」していない状態なら書けるが、2mm幅ではやはりしんどい?太めのダウンストロークも味がありますが…。

小さな文字が書けるペン先だけに、先端がデリケートでやさしく扱うことが大事です。今回は、Hunt100とBrause513が、引っかかりも少なく、インクの出もよかったのでスムーズに書けましたが、以前の私のメモでは全く逆で、どちらのペン先も、ひっかかりが多い、インクの出が悪い、もろいと評価は低いものでした。その時々の自分の状態もありますし、ペン先のコントロールができないうちに評価したかもしれません。またペン先の中には、すぐにダメになるものもあります。

何種類かのペン先について書きましたが、これは私自身の感想で、書き手によってその感覚は違います。用途により、自分に合うペン先を見つけたいですね。

2024年5月13日月曜日

平筆ローマンキャピタルのワークショップ

 皆さんこんにちは。レギュラークラス講師の清水裕子です。

SLA(スタジオレターアーツ)では、時々、通常の定期的なレッスンとは別に、受講者のみを対象にワークショップを行っています。平筆のローマンキャピタルも、レギュラークラス受講者を対象に2023年春、今年春と2回開催しました。

講師のデモンストレーション
  平筆ローマン入門には、最低3日間が必要だと私は考えています。そして、その3日間は連続で開催せずに2週間ほど空けており、それがより良い結果につながっている様です。
配布するお手本コピー
それ以降のブラッシュアップについては、当日の受講人数にもよりますが、できるだけ通常のレッスンでも指導する機会を設けています。

毎回のワークショップでは、受講される方々の集中力と根気とに深く感銘を受けています。私もまだまだ道半ばですが、自分が二度John Stevensから習ったことを(自分なりに咀嚼した上でですが)受け渡していかねばと思い、教え始めました。来年からは門戸を広げ、外の広い会場で開催していきたいと思っています。今秋にはお知らせします。