クラスの中を覗いていただけるページです。クラスの様子やできごと、受講生の制作物をご紹介していきます。

2023年6月19日月曜日

自分の殻を破る

 こんにちは。レギュラークラス講師の清水裕子です。

異なるサイズの平ペンで書いてみたもの。ウェイトの違いで「景色」も変わる。
いくつかの段階を経てここへ。ご自身も何かがつかめてきたご様子。

私のワークショップ(以下、WS)トピックに『書くことの感覚をみがく』というのがあります。このWSは、ペンを初めて持つ人でも受講可能な内容で、「副産物」としてとてもユニークな線、文字、構図が生まれます。その「副産物」をその後自分のカリグラフィーとして育てて行くこともできますが、それにはかなりの経験と判断の目が必要になります。

ご本人が選んだ、好みのウェイトはこれ。ペンはスピードボールのC3。

 この文字を書かれた方は、長年にわたって伝統的な書体を丁寧に書かれてきました。いわば、この写真の文字とは真逆の世界です。「せっかく先生に習っているのですから」と私の頭の中にある物を積極的に吸収しようと思ってくださり、WS受講から数年経った昨年にレギュラークラスでのチャレンジを「決意」されました。着地点は決めず、毎回の進み具合を拝見しながら一歩先の目標を提案しています。こういう教え方ができるのも、定期的に通ってくださっていればこそです。自分の殻を破ろうとされている方のお手伝いはまだしばらく続きます。

2023年6月4日日曜日

Tim Noad氏ワークショップで学んだこと

こんにちは。写本装飾クラス担当、小川百合です。

3月末から4月始めにかけてイギリスから来日されたTim Noad さんのWSに参加しました。写本装飾に関する本も出されている方の間近でその作業を目にすることが出来て学ぶことが多い時間でした。その中で写本装飾の基本になる平塗りでわたしがいつもしているのとは違う方法を教えていただきましたのでご紹介しておきます。
 

レッスンでお伝えしているいつもの塗り方。輪郭を取った後、すぐに絵の具をのせています。

Timさんの方法、wet on wet。輪郭を取った後、水で輪郭の絵の具を溶かしながら表面に水を含ませます。全体がしっとりしたら絵の具をのせていきます。

人によって方法はそれぞれですが、より良い作品を作るために臨機応変に使っていけるといいと思いました。